東北大学 大学院医学系研究科 情報遺伝学分野 有馬隆博研究室

情報公開文書

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ヒト胎盤幹細胞の樹立と細胞特性に関する基礎的研究

1.研究の対象

2015年3月~2018年3月に凍結融解後に受精卵を破棄予定の方

2.研究期間

2015年3月(倫理委員会承認後)~2027年3月

3.研究目的

体外受精などの生殖補助医療を実施した際、正常な発育を示す受精卵のうち、着床障害により流産を繰り返すことがしばしば見られます。その原因の一つに胚体外組織(将来胎盤に分化する組織)の異常が考えられます。この胚体外組織は、着床時以降、子宮内膜を介して母体から栄養やガス交換をする重要な役割を担っていると考えられているため、本研究では、東北大学関連病院を受診した患者さんの、形態不良で破棄予定となる受精卵(ブラスト胚)より、ヒト胎盤幹細胞株を樹立し、その細胞特性に関する基礎的な研究を行うことを目的とします。また、ヒト胎盤幹細胞株の他の医療領域における利用可能性について評価することも目的とします。

4.研究方法

1. 対象:受精卵10個

2. 試料の種類と採取方法:
 1)ヒト受精卵(ブラスト10個)を用いて、ヒト胎盤幹細胞株を樹立する
 2)ヒト胎盤幹細胞株の細胞増殖特性などを解析する
 3)どのような遺伝子が発現しているのか調べる
 4)エピゲノム(DNAメチル化)について全ゲノムを網羅的に解析する
 5)着床時の栄養膜と子宮の相互作用の解析のため、栄養膜細胞を含む受精卵と子宮内膜細胞との共培養を行う

3. 解析する遺伝子と方法:次世代シークエンサーを用い全ゲノムのメチローム解析と低分子RNA解析、ヒストン修飾解析を行う

4. 細胞株を理化学研究所バイオリソースセンターに寄託する

5. 国際共同機関として、以下の大学にヒト胎盤幹細胞株を譲渡する。
University of Cambridge、The Babraham Institute、Chinese Academy of Sciences、Bonn Medical School、The University of Texas、Sun Yat-sen University、University of Kansas Medical Center、Development and Neuroscience, University of Cambridge、University Hospital Frankfurt、Max Planck Institute、Helmholtz Center Munich、McGill University、京都大学大学院医学研究科、慶応義塾大学医学部、Joint lab of China、Hubrecht institute、Centre for Trophoblast Research, University of Cambridge 、Yale University、Medical University of Vienna、University of Western Ontario、The Hebrew University-Hadassah Medical School、University of Minnesota、University of Manchester、University of Toronto、Cambridge Stem Cell Institute, University of Cambridge、Ao. Univ、山口大学医学部産婦人科、岐阜薬科大学、Barts and the London School of Medicine and Dentistry、CNRS、 COLORADO CENTER FOR REPRODUCTIVE MEDICINE、 National Taiwan University Hospital、 North Carolina State University、Peking University、The University of British Columbia 、The University of Hong Kong 、 University of California、University of Michigan 、University of Missouri 、 University of Pittsburgh、 Weill Cornell Medicine、Wuhan University 、 北京大学都市環境学院、University of Cambridge 、Duke University 、 CRTI 、 Yale stem Cell Center、 Medical College of Wisconsin、 NICHD/NIH、NIH/NC、 Weizmann Institute of Science、The University of Texas Southwestern Medical Center at Dallas、The Rockefeller University、Institute of Molecular Biotechnology GmbH、Baker Heart and Diabetes Institute、Hackensack University Medical Center、University of Texas、University of Cambridge、Washington University、University of California Irvine、The University of British Columbia、University of Texas in Austin、ShanghaiTech University、University of Minnesota、Wellcome Sanger Institute、University of Illinois at Urbana-Champaign、NYU Langone Health、University of Texas、University of Toronto、上武大学、国立成育医療研究センター、ロート製薬株式会社、Cambridge Institute of Therapeutic Immunology and Infectious Disease、慶応大学、MRC Laboratory of Molecular Biology in Cambridge、Department of Pathology & Centre for Trophoblast Research University of Cambridge Tennis Court Road、University of Maryland School of Medicine、Iowa State University、University of Nebraska–Lincoln、富山大学、Universidad de Las Palmas de Gran Canaria、Oxford University、Cornell University、University of East Anglia University of Vermont、University of Missouri - Kansas City、Imperial College London、徳島大学

6. 将来、医学の発展に寄与することを目的とし、この研究で得られたデータや樹立された細胞を、他の研究機関や営利を目的とした企業・法人等に提供する(二次利用)可能性がある。

5.研究に用いる試料・情報の種類

試料:凍結融解後に破棄予定の受精卵

6.外部への試料・情報の提供

データセンターへのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。遺伝子解析を開始する前に、試料や診療情報からは住所、氏名などを削り、代わりに新しく符号をつけ、匿名化します。匿名化は医療機関で行います。匿名化するにあたっては「連結不可能匿名化」を行い、個人情報を東北大学等で管理することはありません。

7.研究組織

東北大学大学院医学系研究科  柴田峻
九州大学生体防御医学研究所  佐々木裕之、須山幹太

8.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先:
住 所:980 – 8575 宮城県仙台市青葉区星陵町2-1
研究機関名:東北大学大学院医学系研究科
電 話:022 (717) 7844
FAX:022 (717) 7063
研究責任者:柴田峻
E-mail:shun.shibata.a3@tohoku.ac.jp

研究代表者:東北大学大学院医学系研究科 柴田峻

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